入試なんかだと必須科目ですね。
しかし、感覚でなんとなくできてしまうため、詳しい規則については案外知らない方もいるかもしれません。
簡単なので、ぜひ確認してみましょう!
歴史的仮名遣い→現代仮名遣いに直す際の規則
1 「ゐ・ゑ・を」について
- 「ゐ」→「い」
- 「ゑ」→「え」
- 「を」→「お」
本来、ワ行音だった「ゐ・ゑ・を」。しかし、これらは現在の日本語の音には存在しません。
したがって、現在仮名遣いでは「い・え・お」を当てる必要があります。
2 語中・語尾のハ行音
- 語中・語尾の「は」→「わ」
- 語中・語尾の「ひ」→「い」
- 語中・語尾の「ふ」→「う」
- 語中・語尾の「へ」→「え」
- 語中・語尾の「ほ」→「お」
語中・語尾のハ行音は、ハ行転呼によって、現代ではほとんど消滅しました。
今の日本語で、語中・語尾にハ行音が使われる語彙は、「母」などのごく一部を除いて、ほとんど存在しません。
したがって、語中・語尾のハ行音「は・ひ・ふ・へ・ほ」はワ行音「わ・い・う・え・お」に直す必要があります。
3 [ a ・ i ・ e ] +う
- [ a ] +う → [ o ] +う
- [ i ] +う → [ yu ] +う
- [ e ]+う→ [ yo ] +う
これはローマ字で考えた方が理解しやすいかもしれません。
わかりづらいと思った方は、一度、現代仮名遣いに直したい単語をローマ字表記にしてみて、[ au ]、[ iu ]、[ eu ] の並びを探してください。
4 四つ仮名
- 「ぢ」→「じ」
- 「づ」→「ず」
したがって、基本的にはダ行音「ぢ・づ」はザ行音「じ・ず」に直します(現代でも使用する「ぢ・づ」は別)。
5 「む」
- 「む」→「ん」
「む」音は撥音便によって「ん」音へと変化しました。
6 「くわ」と「ぐわ」
- 「くわ」→「か」
- 「ぐわ」→「か」
昔の日本語では「くわ」と「ぐわ」という発音がありました。しかし、これも消滅し、「か」「が」と混同されてしまったため、現代仮名遣いでは「くわ・ぐわ」を「か・が」とします。
注意が必要な場合
この6つのルール、基本的な考え方は簡単です。
しかし、混合して使う際には注意が必要。
例えば「てふ」という古語。これは、「蝶」のことですよね。
この変化、どう考えればよいかというと、
「てふ」
↓
[ tehu ]
↓
(語中・語尾の「はひふへほ」は「わいうえお」になるから、[ hu ] → [ u ] )
↓
[ teu ]
↓
(” [ e ] +う → [ yo ] +う ”なので……)
↓
[ tyou ]
↓
「蝶」の完成!!
となります。
このように、順番に考えていくことが必要となります。