高校時代に習った古典文法。
恐らく、いちばん面倒なのが「活用」を覚えることだったのでは?
動詞、形容詞、形容動詞、助動詞……活用する品詞はたくさんあります。
その中でも、活用を考える時、中心になるのが「動詞」。
というわけで、本日は「動詞」の活用形について解説します。
- 四段活用
- 上一段活用
- 上二段活用
- 下一段活用
- 下二段活用
- カ行変格活用
- サ行変格活用
- ナ行変格活用
- ラ行変格活用
それぞれの動詞がどの活用の種類に当てはまるのかを、この中から選ばなくてはならないわけです。
しかし、九つもあると「えっと……じゃあ『見る』は何活用だっけ??」とこんがらがってしまいそうですよね。
そんなややこしい活用の種類を見分ける方法は、三段階に分けられます!
一 暗記!
二 「ひいきにみゐる」!
三 「ず」をつける!
というわけで、まずは「1 暗記」から見ていきましょう。
一 暗記
これはズバリ、「数が少ないものは、暗記しちゃえ」という考え方。
上記の九つの活用の種類のうち、五つが当てはまります。
- 下一段活用→「蹴る」
- カ行変格活用→「来」
- サ行変格活用→「す」「おはす」
- ナ行変格活用→「死ぬ」「往ぬ」「去ぬ」
- ラ行変格活用→「あり」「をり」「はべり」「いまそかり」
これは頑張って暗記しちゃいましょう。
リズムよく唱えると覚えやすいですよ~!
「ありをりはべりいまそかり!」ってね。
リズムよく唱えると覚えやすいですよ~!
「ありをりはべりいまそかり!」ってね。
二 「ひいきにみゐ」る
これは、上一段活用の覚え方です。
まずは、下の例を見た方が分かりやすいですかね。
まずは、下の例を見た方が分かりやすいですかね。
- 「ひ」→「干る」「
嚏 る(=くしゃみのことです。嚏で「くさめ」とも読みます)」
- 「い」→「射る」「
鋳 る」
- 「き」→「着る」
- 「に」→「似る」「煮る」
- 「み」→「見る」「~みる(顧みる、試みる、鑑みる、
惟 みる)」
- 「ゐ」→「
居 る」「率 る」「~ゐる(率ゐる、用ゐる)」
以上の、「ひいきにみゐ」がつく語+「る」で表される語が、上一段活用動詞です。
ちなみに、ここでの「い」はヤ行、「ゐ」はワ行なので注意!
以上のように、「ず」または「ない」をつけたとき、動詞の語尾がどのような音に変わるかで識別することができます。
三 「ず」をつける!
上の二つにあてはまらなかった動詞には、打消しの助動詞「ず(ない)」をつけることで識別を行います。- 四段活用→「a」行音になる
- 例:「行く」(→行か+ず:[ ika - zu ])、「思ふ」(→思は+ず:[ omoha - zu ])など多数
- 上二段活用→「i」行音になる
- 例:「落つ」(→落ち+ず:[ oti - zu ])、「起く」(→起き+ず:[ oki - zu ])など多数
- 下二段活用→「e」行音になる
- 例:「捨つ」(→捨て+ず[ sute - zu ])、「見ゆ」(→見え+ず[ mie - zu ])
以上のように、「ず」または「ない」をつけたとき、動詞の語尾がどのような音に変わるかで識別することができます。
いかがでしょうか?
スタンダードな方法ではありますが、やはり上記の三段階を経て考えるのが一番分かりやすいかな、と思います。
多少暗記する必要はありますが、この三段階さえ踏めば、だいたいの動詞の活用の種類は識別できます。
古典文法を学習することは、現代文法の理解にも役立ちます。
古典嫌いの方も、ちょっとだけ復習してみると、新しい発見があるかもしれませんよ。